この記事では2023年3月第3週(3月12日〜3月18日)に発表された1週間の気になる投資関連ニュースを取り上げていきます。
発表された注目ニュース記事をもとに1週間を振り返り、次週注目すべき経済指標も紹介していきます。
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“金”価格高騰
先週末のシリコンバレー銀行破綻のニュースから複数の大手金融機関の破綻が続き、リーマンショック後初の金融危機に陥っています。
そんな中、安全資産と呼ばれる”金”の価格が高騰しています。

シリコンバレー銀行を発端に相次ぐ銀行破綻で金への資金流入が一気に増し価格が上昇しています。今後も不安定な相場が予想されるため、金価格の上昇予知はまだまだありそうです。
このような大荒れの相場では金の価格は安定して強いため、ポートフォリオの一部に入れることはヘッジをかける意味で重要な役割を果たします。
世界の再生エネルギー、前年比1.4倍
ウクライナ情勢以降、世界各地で再生エネルギーの導入が増加しています。
これまで各国はエネルギーをロシアに頼ってきましたが、経済制裁で輸入に頼らず済むよう再生エネルギーの活用が急増しました。
国際エネルギー機構(IEA)によると昨年22年世界の再生エネルギー導入量は前年比1.4倍に増加しており今後も増加スピードは加速すると見込まれています。

しかしIEAの見立てでは世界各地で再生エネルギーの導入量が増加するのに対し、日本の導入量は横ばいもしくは減少すると見込まれています。
実際に日本はロシア産の化石燃料に今もなお頼っており、今後の具体的な解決策は見当たりません。この分野で活躍する新たな企業が待たれます。
メタ社、新たに1万人を削減
米国メタ社は約1万人の社員を追加削減すると発表しました。2022年11月にも1万人超の人員削減を実行しており、経営に相当危機感を持っているのがわかります。
また、これに合わせ5000人規模の採用計画は中止されており、他のメガ企業にも波及する可能性があります。
米国では金融不安にメガ企業の大規模リストラなど、いよいよ景気後退が近づいているかもしれません。
クレディ・スイスも経営不安!?
米大手金融機関の破綻に連鎖してか名門であるスイス金融大手のクレディ・スイスまでもが破綻の危機にあると報道されました。
この報道を受け、欧州の株式相場は騒然とし、クレディ・スイスの株価は1日で24%も急落しました。

しかし、その後中銀から7兆円規模の資金供給策が実施されると報道され、翌日には19%も株価を戻しました。経営不安に対する市場の警戒は一旦和らいだようにも見えますが、米国発の金融不安はまだ始まったばかりかもしれません。
国債、日銀の含み損は9兆円に拡大
日銀が保有する国債の含み損が昨年末時点で9兆円規模に膨らんでいると報じられました。さらに日銀の政策修正で債権価格が下落し9月末日の含み損約8750億円から10倍以上に急増しました。

日銀が2022年12月末時点で保有する国債は約550兆円とのことで、発行済み国債に対する日銀の国債保有率は52%と過去最大を更新しています。
政府は貯蓄から投資へを促しており、確かに投資への関心が高まっているようにも見えますが、国債を買う投資家は増えないのが現状で、今後も国債を購入するのが日銀だけという異例の状態は続きそうです。
3月第4週(3月19日~25日)の世界注目経済指標
次週、3月第4週(3月19日~25日)に注目する経済指標は下記の通りです;
- 3月21日~22日 米国 FOMC
- 3月22日 米国 政策金利発表
- 3月22日 米国 パウエル議長定例記者会見
- 3月23日 英国 イングランド銀行金利発表
- 3月24日 日本 消費者物価指数 CPI