こどもを持つ親として気になるのがこどもにかかる教育費。
小中高大と進学するに連れて一体いくら蓄えておく必要があるのか。
今回は大学まで(幼稚園から高校まで)公立・私立それぞれでいくら教育費を見込んでおけばいいのか調査結果をまとめ試算してみました。また、その資金はどのようにして確保するのが理想であるのか、おすすめの貯め方や積み立て方法などを解説していきます。

大学まで(幼稚園から高校まで)の学費
幼稚園から高校までにかかる学費を公立・私立でそれぞれいくらかかるか、平成30年度に文部科学省で調査した結果をもとに紹介していきます。(2021年7月現在最新情報)
下記図表はこども1人あたり1年間にかかる費用です。
国公立 | 私立 | |
---|---|---|
幼稚園 | 約22.4万円 | 約52.8万円 |
小学校 | 約32.1万円 | 約159.9万円 |
中学校 | 約48.8万円 | 約140.6万円 |
高等学校 | 約45.7万円 | 約97万円 |
上図はあくまでもこども1人1年間にかかる費用です。幼稚園 x 3年、小学校 x 6年、中学校 x 3年、高校 x 3年を計算していかなければなりません。

- 高校まで全て公立=約541万円
- 幼稚園以外全て公立=約635万円
- 幼稚園と高校が私立=約788万円
- 全て私立=約1830万円
言うまでもありませんが、上図にように全て公立の場合と私立の場合では学費がとんでもなく異なってきます。
こだわりが強くどうしても特定私立に通わせる場合はそれなりに準備する必要がありますね。
実際に公立・私立学校に通う児童・生徒数の割合は;
国公立 | 私立 | |
---|---|---|
幼稚園 | 15.5% | 84.5% |
小学校 | 98.8% | 1.2% |
中学校 | 92.6% | 7.4% |
高校 | 67.0% | 33.0% |
シビアな話、私立に通わせた費用分、将来取り戻すことができるのであれば何も問題はありません。
考え方の1つとして、支払った総額費は将来に返ってくるかどうかを考えるべきです。学費差分をリターン可能であれば私立へはいかせるべきです。
公立・私立で将来どの程度総所得としてリターンが異なるか考えてみてはいかがでしょうか。
教育資金の確保
教育資金は毎月かかる固定費となりますが、家計に与える負担は相当なものとなります。
現在、国からは児童手当が支給されております。 支給対象は中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している人です。
支給額は下図の通りです。
児童の年齢 | 児童手当額(1人あたり月額) |
---|---|
3歳未満 | 一律15,000円 |
3歳以上 | 一律10,000円(第3子以降は15,000円) |
中学生 | 一律10,000円 |
所得制限限度額があるので要注意。また今後法改正が行われる見込みで高所得者は支給額減額または対象外となる可能性が示唆されています。
所得制限限度額は下図、内閣府出典図をご参照ください。

- 満3歳まで 15,000円 x 12カ月 x 3年 = 54万円
- 3歳から中学校卒業まで 10,000円 x 12カ月 x 12年 = 144万円
児童手当の総額は198万円となります。
想像以上に補助金が支給されていると思うのか、全然足りないと思うのかは別として、児童手当だけでは学費さえも補うことはできません。食費や衣類代、習い事などを考えると途方もない金額になります。
学資保険
児童手当は国からの援助として一部補填してくれる程度と考えましょう。
あてにできる額ではないので、結局は自分たちで蓄えるしかありません。
ここで一番に思い浮かぶのは学資保険です。学資保険は支払い方次第では受け取れる金額が異なります。
- 最初に全額支払う全期前納の場合
- 10年で短縮して払い込む場合
- 18歳まで毎月積み立てて払う場合
などで払い戻し額は異なります。
しかし学資保険は考え方を誤ると家計を圧迫するだけです。学資保険はあくまでもこどもが大学生になることを睨んでおり、払い戻しが18歳や20歳に設定されているのが通常です。
学資保険は中途解約をすると元本割れを起こしてしまいます。中学生や高校生などの学費として当てにはならないので要注意です。
学資保険は不要?積立投資が有効!
教育費を計画的に効率よく積み立てていく手段は他にもあります。本当に必要な時は取り崩しも可能で、取り崩さず長く運用していく事も可能な方法は積み立て投資です。
今では国からも税負担などの後押しもあり、いろいろな商品が出ております。
代表的なのが”ジュニアNISA”です。
ジュニアNISAを活用すれば、口座内で投資した金融商品(株式や投資信託など)の配当金、譲渡益等にかかる税金が非課税になります。ジュニアNISAの非課税投資枠は80万円と設定されています。
今回はジュニアNISAに特化した記事は下記参考記事を参考にしてください。
こどもの教育費だけを運用していくのであればジュニアNISA一本で問題はないかと思います。ジュニアNISAでも投資信託、国内外株式、国内外ETF、国内外REITなどの購入が可能です。
教育資金はこども用口座を開設し、年額MAX80万円内で積立投資を行えば大学生を迎えることにはそれなりの資金が確保できていることでしょう。学資保険と違い、途中で積立額の変更も可能です。
例として学資保険とジュニアNISA積み立てで18年間、毎月1万円を積み立てた場合でシミュレーションしていきましょう。
- 学資保険;2021年7月現在、業界最高水準の受取額が109.0%(ただし、出生時全額前金の条件つき。)
毎月支払いコースだと平均にすると103%程が妥当。
結果は 1万円 x 12カ月 x 18年 x 1.03% = 222.5万円
- 18年間毎月1万円を積み立て、米国S&P500市場平均(9.3%)の半数以下の年利3%で運用した場合;計算がかなり複雑な為、金融庁の資産運用シミュレーションを利用します。
結果は 1万円x12x1.03=12.36万円、12.36万円x12x1.03=○○・・・・これを18年繰り返すと、18年後には285.5万円になっています。
今回設定した年利3%というのは、かなり控えめな利回りで算出しております。通常5-7%は見込めるので5%で再度算出した場合は349.2万円になります。
学資保険は加入してしまえば長年継続するか元本割れして解約するかの2択です。加入する前にしっかりと将来を見据えて行動することをお勧めします。
学資保険での運用結果と積立投信のの結果は歴然です。どうしても元本割れを恐れる方や自分で継続して運用する自信がない方は学資保険に入ると満期まで待つのみですのでそれも1つかと思います。
まとめ 教育費のおすすめな貯め方は積立投資!
上記で算出したシミュレーションを見てどう思うかは自由です。
確かに投資である以上リスクはありますが、過去の数十年に渡る経済の成長率を見てもトライするリスクとトライしないリスク。安全に学資保険だけに頼ってしまうリスク、いろいろ比較しても答えは明確でしょう。
たった月1万円がここまで差が出てしまいます。他人に任せるのではなく、自分の力で普段から子どもの教育費をコツコツと積み立てておくことが大事ではないかと思います。
教育費の貯め方はいたってシンプル、積立投資でコツコツと積み立てていくのが最善の方法ではないでしょうか。
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